PUNIcon: ゲルを用いた柔らかい物体の物体識別およびインタラクションの取得

現代の多くの入力デバイスは，スマートフォンのタッチスクリーンやコンピュータのマウスのように，平面的な操作に最適化されている．一方で，タンジブルユーザインタフェースのように，日常の実空間での動作を積極的にインタラクションに採り入れることで，その直感性を高める研究がなされている．本研究では，操作対象として柔らかいゲルを用いたタンジブルユーザインタフェース “PUNIcon” を提案する．PUNIcon は自由に成形した透明ゲルでできた物体を，赤外線 LED とフォトトランジスタを装備した台座に載せ，ゲル内部を透過する赤外光をフォトトランジスタで受光し，その時系列データを機械学習により解析することで，載せられたゲルの識別とインタラクションを推定する．本デバイスの性能評価として，4 種類のゲル物体の識別精度と，円柱型の物体を使用した 6 種類のインタラクション取得の実験を実施し，それぞれ最大 99.8 %，98.4 %の精度で識別できることを確認した．