予稿集

ThermoTumbler: 下唇周辺への温度提示による飲料の食体験と味覚変化の実現

Abstract

食事は人生最大の喜びや幸福感をもたらす楽しい体験であり,食事を楽しむことは幸せな人生を送ることに繋がる.一方で,食生活の改善は生活習慣病や肥満の一次予防と重症化予防につながると報告されている.多くの場合,塩分や糖分を控えた食事を摂取したり,好きな食品を我慢する必要がある.我々は,ユーザが知覚する基本五味のことを「味覚」,飲料の後味やのど越しのような,味覚以外の感覚を「食体験」として扱う.本研究では,特に飲料の摂取において,飲料を変化させることなく,下唇周辺への温度提示によって,「口中香」「後味」「味の濃さ」「のど越し」「おいしさ」「心地よさ」といった食体験や味覚に影響を与える方法として,ThermoTumbler を提案する.ThermoTumbler では,下唇周辺への温度提示を実現するために,ペルチェ素子やヒートパイプ等を利用して飲み口の温度制御を実現した.ThermoTumbler を用いて,下唇周辺への温度提示による食体験や味覚の変化を調査した.評価実験の結果,提示温度に応じて実験参加者の感じる飲料の「温度」「のど越し」「おいしさ」「心地よさ」が変化することが明らかになった.

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Book title

インタラクション2023論文集

Pages

21-30

Date of presentation

2023/03/01

Citation

上堀 まい, 伊藤 弘大, 伊藤 雄一. ThermoTumbler: 下唇周辺への温度提示による飲料の食体験と味覚変化の実現, インタラクション2023論文集, pp.21-30.