Abstract
本研究では,棒が物体表面を引っかく際に発生する音波を利用して,棒によるインタラクションを取得する音響センシングを用いた手法を提案する.音響センシングは振動する物体全般に適用可能であり,材質や形状など様々な要因が音響の伝搬に与える影響を利用することで,物体の位置や運動といった多元的な物体情報やインタラクションの取得に有効であると考えられる.本研究で提案する機構は,2本の爪と2 列の突起列からなり,これらの爪は圧電素子を介して棒の先端に取り付ける.突起列は等間隔に配置し,列間には位相差を設ける.物体移動時に爪が突起列を引っかいて発生する音波を解析し,周波数の異なる音波の発生順番から移動方向を,音波の発生回数から移動量を推定する.本機構は2物体が一定の軸をなして移動する任意の面に適用可能であり,ジョイスティックやボタンなどのセンシング手法としての活用に加え,ドアノブなどへの適用によって日常動作をインタラクションとして利用できる可能性がある.